中央図書館の跡地をめぐって
常盤台公園と常盤台小学校の間に建つ現在の板橋区立中央図書館は、平和公園内への移転が決まっています。新館の建設が進む中、跡地の利用についての議論が行われています。
板橋区では、「公共施設の配置検討」(エリアマネジメント)の中で、次のように今後のプランを説明しています。
(1)常盤台地区 ※「経営革新計画」における結論の時期:令和2年度
公共施設の配置検討(エリアマネジメント)の方向性について(常盤台・前野・富士見地区):2019/12 説明会資料
中央図書館の平和公園への移転・改築を契機に、公園と文化施設が連携した
にぎわいと緑あふれるエリアとして、魅力向上を図るという視点で検討する。
①現中央図書館跡地
○現中央図書館の建物は新中央図書館の開設後に解体する。
○解体後の敷地について、建築用途の規制などを考慮して利活用を検討する。
○常盤台区民事務所の移転や、公園機能の拡充、一部図書館サービス機能の
提供、駅周辺における自転車駐車場の安定的な運営等の諸課題への対応を
検討する。
②常盤台区民事務所
○利便性向上の観点から、区民事務所機能を現中央図書館跡地へ移転する。
○機能移転後については、行政需要に応じた利活用を検討する。
□板橋土木事務所については、環状八号線以南において、交通利便性や資材
置場等のスペース確保の観点で、移転先を決める必要がある。
一方、一部地域住民による区議会への陳情では小規模音楽ホールの建設を希望する声も挙がっています。また、図書館移転検討時には一部図書館機能の継続提供を望む声もあった中、区民事務所の転入により想像よりも小規模なサービスになる見込みになったことから賛否が分かれているところです。
街のシンボリックな建物としての重要性
集合住宅の老朽化や工場移転など、高度成長期に建てられた区内の民有地や公企業の建物も50年に一度の更新タイミングを迎えています。街中では一定の規模の面積を持つ土地の確保によって行える再開発はこの機会しかできません。50~100年後の人口や産業の構成、災害やインフラの状況などを見据えた街のグランドデザインとしての最適解はどんなものでしょうか。
区では予算に照らして新たな土地の確保は行わず、現状の区有地のみでの建物の配置検討を行う方針をとっています。
一方、街のイメージは第一印象としての駅前の風景や大きい施設、人通りのある道の特に角にある建築など、キーとなる構造体によって大部分が定まります。そのイメージによって治安や街並み、そこに集まる商店や人々、地価が大きく左右されるため、未来を見据えた計画が重要ポイントなのです。
ここ数年で常盤台地区周辺の重要な土地では、東武鉄道の駅舎・駅前ビル、ロータリーに面したビルも建て替えになりました。住宅街側では公園に隣接する建築のイメージが大きな位置を占め、高齢者施設へ転換された水久保公園横や、新旧中央図書館の土地とあわせて、将来近いであろう平和公園前の筑波大学宿舎の更新が、この街の向こう50年を占うフロンティアと考えられます。
小規模音楽ホール建設を求める声
板橋区内で音響設備に優れた音楽施設がない、土地面積と地域需要から100名程度の小規模なホールが望まれる、音楽文化に携わる人々が一定数地域にいる、常盤台のコンセプトに沿う、といった観点で署名活動が行われています。詳細・協力は下記ファイルをご覧ください。