これまでの取り組み

常盤台の景観を守る会 常盤台まちづくり委員会は、マンション建設問題を皮切りに、板橋区常盤台地区のまちづくりに関するソフト面での活動を中心に取り組んできました。

まちづくりニュースの発行

2003年からほぼ毎月発行を続ける、住民の協力によって常盤台1・2丁目に各戸配布されているローカル紙です。A4サイズのグリーンの紙両面に、その時々で地域住民が共有すべき情報をぎっしりと載せて、この街への愛を込め届けられています。

当初はマンション建設問題についての連絡網として、町会の回覧や掲示板を利用できなかったことで独自のコミュニケーション手段を取る必要があったことが契機でしたが、その後も現在に至るまで地域に欠かせない重要な情報網となっています。

駅前高層マンション問題

2003年のマンション計画以前は、駅前には6~7階建て程度までの建物しかなく、ロータリーのヒマラヤ杉をシンボルとした空間が広がっていました。そんな中持ち上がった11階建のマンション建設に対して、5000筆を超える反対署名が集まりました。良好な景観享受を争った民事訴訟・行政訴訟では、残念ながら計画を変えることができませんでした。常盤台の景観の重要性を強く訴えたこの訴訟は、地区の住民の多額の寄付によって費用が賄われています。

景観重点地区の指定

過去に板橋区主導で行っていた地区計画導入が住民の対立により頓挫した経緯もあり、常盤台に対しては区から住民主導の景観計画が提案されました。 2004年3月に、常盤台一・二丁目地区は、区の推薦を得て、東京都のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく「街並み景観重点地区」としての指定を受けています。

この指定にあたっては、景観ガイドラインが必要となるため、町会・商店会にも呼びかけ、しゃれ街準備協議会(現:NPO法人ときわ台しゃれ街協議会)の設立を推進、現在の「ときわ台景観ガイドライン」を策定するに至る前提の取り組みを行ってきました。

2014年からは、板橋区景観計画の「景観形成重点地区」の対象ともなっており、板橋区景観デザインガイドラインに基づく建築や土地利用が進められています。

ときわ台お散歩マップの作成

常盤台らしい景観の価値を改めて感じていただくため、かわいいイラストの入ったマップを作成。2003年10月に初版、2019年2月に改訂を行い、地域住民や常盤台に関心を持ってくださる皆様にお渡ししています。ときわ台駅の駅舎外壁にもその一部が掲示されています。

展示会・講演会の開催

年に1回程度、常盤台の価値やまちづくりに関する展示会・講演会を開催しています。

まちをめぐる諸課題への提言・取り組み

2003/10/19講演「常盤台のまちづくり その背景」(鈴木博之氏)
2006/11/03~04展示「ときわ台のまち写真展 ─70周年を記念して─」
2009/10/02~04展示「上野 泰”あかり”展 in ときわ台」
2010/04/29~05/04写真展「セピア色の写真展 ─昭和20年代の常盤台─」
2010/11/25~30展示「1970年代の常盤台街並み写真展」
2011/04/29「常盤台に関する研究発表会」(常盤台を調査した学生・研究者)
2011/04/28~05/03展示「記憶と記録にとどめよう!常盤台写真展」(織田氏)
2012/06/10、09/29辻説法(水島信氏)
2012/11/02講演「東京駅の復原」(鈴木博之氏)
2013/05/25講演「ドイツ流まちづくり ─居住空間と景観─」(水島信氏)
2014/05/08~13展示「常盤台の歴史写真展」
2014/05/11講演「常盤台における景観計画の提案」(水島信氏)
2014/09/18~30展示「東武東上線100年記念展」
2015/10/01~06展示「ときわ台駅80周年記念展」
2015/10/04講演「東上線とときわ台」(花上嘉成氏)
/「駅舎建築の系譜とときわ台駅」(小野田滋氏)
2016/09/21勉強会「都心低空飛行問題について」(秀島一生氏)
2017/11/23~28展示「常盤台の町並み展」
2017/11/25茶話会「『南宇都宮』と『ときわ台』ふたつの大谷石駅をめぐる物語」
(橋本優子氏)
2022/09/29~10/04展示「常盤台の花展」
2022/12/01~06展示「定点写真展」

暫定自転車置場の撤去への働きかけ

常盤台小学校と中央図書館の間のプロムナードが30年以上も無料駐輪場として使われていた問題について、代替地の見積もりや行政との交渉を続け、2012年3月に完全撤去に至りました。

旧宮澤邸(旧近藤邸)の保存

常盤台住宅地に分譲当時のまま現存する建築として貴重な築80年となる木造住宅ですが、転売により取り壊されてしまう可能性も懸念されていました。保存にあたっては当会の会員の協力により、昭和モダン建築を未来へと橋渡しするスタジオとして、利用されるようになっています。

ときわ台駅舎の保存

ときわ台駅の駅舎は1935年の開業当初の面影を受け継ぐこの街の象徴的建築のひとつで、青色のスパニッシュ瓦、外壁の大谷石張り、漆喰仕上げ、レリーフなどが特徴的です。

近年当会では南宇都宮駅の駅舎との共通点の多さに注目してきました。常盤台住宅地に現存する大谷石の石垣の調査や、大谷石を辿るバスツアーの開催、有識者をお招きした講演・茶話会などの活動を通して、分譲当時のまちづくりの様子を物語る重要な要素として、駅舎建築も一体的なものと捉えています。

2018年に原型に近い形で完成したリニューアル工事では、新設された外壁の展示「武蔵常盤小径」に当会も資料を提供しています。

現在の課題

現在進行形で続く課題については、イベントの開催やまちづくりニュースの発行を通して、地域住民の議論を推進しています。

  • 快適な住空間のための景観・まちづくりのあり方について
  • 羽田空港増便に伴う常盤台付近を含めた都心上空の低空飛行問題について
  • 無電柱化(電線地中化)の推進について
  • 樹木の保存、花壇・並木道の整備について
  • 常盤台公園に隣接する旧板橋区立中央図書館の跡地利用について

常盤台について

常盤台で暮らす

会の活動について